メルプリで「Gmail」等のSSL対応メールを受信・転送する 〜SSLトンネリングツール「Stunnel」を使った方法〜

メルプリUはSSL通信に対応していません。そのため直接Gmail等のSSL方式のメールを受信することができません(※1)。
そこで別途ツールを利用して間接的に受信(※2)する方法を紹介します。
※1:最近はYahooメールやBiglobeメール等でSSLが必須になっていますので、このツールが不可欠になります。
※2:メルプリUでは転送機能が追加されましたが、転送(送信)も可能です。

フリーソフトの「Stunnel」は簡単に楽に設定ができますので、ぜひご利用ください。
この記事は2021.08.15現在の情報を元に作成しています。今後バージョンアップされても基本的な設定操作は変わりません。

< 1. ダウンロードとインストール|2. 環境設定|3. メルプリの設定|4. Gmailの設定

1.Stunnelのダウンロードとインストール手順
https://www.stunnel.org/
上記サイトからダウンロードすることができます。

右図のように「Downloads」のリンクからダウンロードファイル一覧が表示されます。

ここではWindows版のstunnel-5.59-win64-installer.exeをダウンロードします。

(注意)画面は2021年8月現在のものです。バージョンアップ等でファイル名が変更されている可能性があります。
   
インストール
ダウンロードしたファイルを実行してインストールを開始します。

画面はWindows10で実行したものです。UAC(ユーザーアカウント制御)により警告がでますが「はい」を選択して続行します。
   
ライセンス許諾
「I Agree」を選択。














インストール条件
全てのユーザーで使用するため
「Install for anyone using this computer」を選択。












インストールコンポーネント選択
初期設定のまま、全て選択。














インストール先指定
これも初期値のままでOKです。







   
インストール開始
ファイルがインストールされていきます。

インストール途中で環境設定の画面が表示されます。(下図)
   
SSLの設定
インストールの最後に入力要求があります。
全てEnterキーを押して初期値のままで構いません
 
インストール完了
インストールが完了しました。「Finish」で閉じます。

続いて、Stunnelをサービスに登録します。
   
サービスに登録
StunnelはWindowsサービスとしてバックグラウンドで動作させます。
スタートメニューからプログラムメニューにある「stunnel AllUsers」を開き、
stunnel Service install」をクリックします。

UAC(ユーザーアカウント制御)により警告がでますが「はい」を選択して続行します。
   
サービスに登録完了
右図の画面が表示されれば登録完了です。
   
サービスの開始
プログラムメニューから「stunnel Service start」をクリックしてサービスが開始されます。




 
2.Stunnelの環境設定
管理ツールの起動
デスクトップにstunnelのアイコン(右図)があります。それを起動すると
通知領域(タスクトレイ)に管理ツールが常駐します。(右下図)

Edit stunnel.conf の編集
通知領域のアイコンを右クリックしてメニューから「Edit Configuration」をクリックします。
   
メモ帳の起動
管理者権限で編集する必要があります。
   
stunnel.conf の修正
注意:初期設定で多量の設定項目がありますが、必要なのは一部です。
Example TLS client mode services」の項目を編集します。

Gmail用の設定が既にあります。そのまま何も変更する必要はありません。
メルプリに必要なのは[gmail-pop3][gmail-smtp]です。

これにYahooやbiglobeなどその他のメール用を追加する場合
[yahoo-pop3] [yahoo-smtp] [biglobe-pop3] [biglobe-smtp]等と適当に名前を付けた項目を追加します。そこで指定する項目は
@client
Aaccept
Bconnect

の3項目だけで良いです。他の項目を入れると機能しません。
注意する点はAのacceptです。
Gmailを有効にした場合、受信用のポート番号「110」はもう使えません。そのため、10110等の未使用ポートを適当に割り振ります。
送信用ポート番号「25」についても同様です。

右図のサンプルを参考に必要なメール用設定を追記してください。
最後に保存してメモ帳を閉じてください。
   
修正したstunnel.confの適用と動作確認
configの設定を修正したら再度メニューを開いて「Reload Configuration」を実行してください。その後で「Show Log Window」を実行し正常に動作したか確認します。

設定に問題がある場合、Reload Configuratioを実行するとログ画面と一緒にエラーメッセージが表示されます。(下図)
[!]項目がエラーの理由を示していますので参考にしてください。
 
   
動作確認
下図のように最終行に「Configuration successful」と出力されていれば設定は完了です。
   
3.メルプリの設定
メールアカウント設定(受信用)
・メールアドレス: (gmaiのメールアドレス)
・アカウント:(メールアドレスと同じ)
・パスワード:(Gmailのパスワード)
・POPサーバ:127.0.0.1(※)
・ポート番号:110(※)
転送メール設定(送信用:メルプリU)
・SMTPサーバ:127.0.0.1(※)
・ポート番号:25(※)

※stunnel.confのacceptの内容が指定されています。
   
4.Gmail側の設定
Gmailをメルプリなどのメールソフトで受信できるようにするにはGmail側の設定も必要です。
Gmailアカウントの設定項目の「メール転送とPOP/IMAP」を開いて「POPダウンロード」にある
1.ステータスを「すべてのメールでPOPを有効にする」または「今後受信するメールでPOPを有効にする」を選択。
2.POPでメールにアクセスする場合を「Gmailのメールを受信トレイに残す」を選択。
※Gmailの仕様により、一度POP受信したメールは他のメーラでは受信できないため、必ず受信トレイに残すようにしてください。
 参考:Gmailで複数のクライアントまたは携帯端末でPOPを使用する
POPの有効

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